夫婦関係

コロナで離婚の危機!夫婦の「ゆるいルール」でコロナ離婚を防止!?

コロナで離婚の危機!夫婦の「ゆるいルール」でコロナ離婚を防止!?

新型コロナウイルスが流行して以降、テレワーク(在宅勤務)の導入、学校の休校、外出の自粛など、私達の生活は激変しました。

こうした中で、これまで感じたことのないストレスが原因で喧嘩が増え、離婚にまで発展する夫婦が急増しているのです。

「コロナ離婚」という言葉をテレビやネットで、見聞きした人も多いのではないでしょうか。

コロナの影響で離婚するなんて信じられない人もいると思いますが、結構深刻な問題になっているのです。

なぜコロナ離婚が増加しているのか。その要因と傾向、さらにはコロナ離婚を防ぐための方法を詳しく解説していきます。コロナウイルスとの長期戦です。今は大丈夫だと思っていても、いずれ訪れるかもしれません。他人事とは思わないほうがいいでしょう。

コロナが原因で離婚しそう!コロナ離婚に発展する3つの要因

私は夫婦問題カウンセラーをしていますが、新型コロナウイルスが流行してからというもの「離婚相談」が後を絶えません。

本来なら、夫婦・家族で協力してこの危機を乗り越えていくところ、なぜ家庭不和が起きてしまっているのでしょうか。

相談に来る人たちの話を聞いていく中で、コロナ離婚が流行(?)しているのは「3つの要因」がありそうです。

順番に見ていきましょう。

1.先行きが見えない不安

日本を含めた世界中で感染者は増え、仕事や外出がままならない状態。

テレビやネットを見れば、新型コロナウイルスの情報ばかりですが、肝心の「いつ収束するのか」はわからないままです。

どんなに気をつけていても、「自分もいつか感染するかもしれない」と過敏になるのは仕方ありません。

特にお子さんを持つ家庭の場合、感染したら「子供の面倒はどうするのか」という悩みはつきません。

加えて、経済が徐々に悪化し、失業や倒産する会社も出てきました。今はまだ大丈夫でも、この先自分たちも失業してしまうかもしれない、と思うのも当然です。

こうした不安から、些細なことで夫婦喧嘩が絶えなくなり、ついに限界をむかえてしまうというわけです。

2.常に一緒に過ごすことから生じるストレス

新型コロナウイルスは、働き方までも一変させました。

デスクワークの人はテレワーク(在宅勤務)になり、ほとんどの時間を家で過ごすようになりました。

また、外出自粛のため平日・休日に関わらず、飲みに行ったり遊びに行ったりすることもできません。

感染拡大のリスクがあるため、実家に帰省するのも無理でしょう。

必然的に、家族の唯一の居場所は「家の中」だけになり、常に夫婦(家族)が一緒にいることになります。

朝から晩までずっと一緒に過ごせる。最初はいいと思っていても、時間が経てば1人になりたいと思うことが増えてきます。

実際、相談を受けた女性(30代)はこんなことを言っていました。

「夫がテレワークになって、ずっと家にいます。私が家事をしているすぐ横で夫が仕事をしていると、なんか監視されているようで居心地が悪いんです。なんか私の家じゃなくなってきたみたい。きっと夫もそう感じていると思います」

また、常に一緒にいるということになれば、これまで我慢できたり、スルーできていた小さな言動が気になったりしてくるでしょう。

初めのうちは、冗談のように小言で済んでいたのが、ある日を境に限界に達してしまうのです。

3.価値観の違いが露呈する

「価値観の違いが露呈する」というのはどういうことでしょうか。

新型コロナウイルスは、治療法や予防など専門家でも意見が分かれるため、何を信じて良いのかわからないのが現状です。加えて、デマや間違った情報も多く、余計に混乱してしまいます。

そんな中で、特に女性(妻)が感染予防に敏感になりすぎ、逆に男性(夫)が無頓着というケースが実に多いようです。

たとえば、妻が外出時は必ずマスクをするように促しても、夫が「すぐ帰ってくるし、外だから大丈夫でしょ」などと言い、言い争いに発展してしまう。身に覚えがある人もいるのではないでしょうか。

もちろん、逆のパターンもあります。

いずれにしても、夫婦間で危機意識が共有できていないと、些細なことで喧嘩になりがちです。

緊急事態に意見が合わないと、もうこの人とは一緒に暮らせない、この先何かあっても頼れないと感じてしまっても無理はありません。

「パニックの時にこそ人の本性が見える」なんていう言葉もありますよね。コロナという緊急事態を前に、今まで知らなかった相手の本性が見えてしまい、愛がいっきに冷めていく・・・意外とアルアルな話かもしれませんね。

不仲は危険サイン!DV(家庭内暴力)に発展する可能性大

日常生活が変わってしまったために、夫婦の関係も多少は変化するものです。一時的に関係が悪化することもあるでしょう。

でも「そのうち仲は元に戻るでしょ」などと甘く見るべきではありません。

ご存知のように、世界中で流行する新型コロナウイルスは、いつ収束するかなど誰にもわかりません。テレワーク(在宅勤務)や休校、外出自粛は今後も続くでしょう。

そのため「家の中に閉じ込められる状態」を前提に考えなければなりません。

人間の心理として、「いつ出られるかわからない(狭い)空間にずっと一緒にいる」と、精神的に追い詰められていきます。

追い詰められた人間は、ストレスがたまり、常にイライラした状態になっていきます。すると、精神的なバランスを保つため、身近にいる人や他人に対し攻撃的になってしまうのです。

新型コロナウイルスが流行してからというもの、DV(家庭内暴力)が増えているというニュースをご覧になったことがありませんか。

DVと聞くと、男性から女性に対する暴力が思い浮かびますが、女性から男性に対する暴力もあるのはご存知でしょうか。殴ったり蹴ったりといった直接的な暴力だけがDVではありません。暴言を吐いたり、必要以上に相手を責めたりするのだって立派なDVにあたります。
あなたのご家庭は大丈夫でしょうか。

コロナ離婚を防ぐために今日からできること

コロナが原因で夫婦が不仲になり、DVに至り離婚するなど、想像もできない人が多いでしょう。

しかし、これは現実に起こっていることです。特に、イギリスやフランスでは、新型コロナウイルスが流行して以降、DVの増加が社会問題となっています。

「うちは仲良しだから大丈夫」などと他人事のように考えてはいけません。

では、どうすればコロナ禍においても夫婦円満に過ごし、コロナ離婚を防ぐことができるのでしょうか。

家事・育児を必ず分担する

コロナの影響で、これまで仕事が忙しかった人でも、確実に家にいる時間が多くなっているはずです。

仕事をしていれば家事・育児はしなくていい、という考えは通用しません。

ただ、これまで家事・育児をしなかった人がいきなり完璧にできるはずがありません。

そのため、「できる範囲」で家事・育児を分担してください。

たとえば、家事に関しては、皿洗いや洗濯物を干す・取り込むなどの簡単なものを頼みましょう。

育児に関しては、1時間外で子供と散歩するなどがベターです。

こうしたことを積み重ねていき、徐々にレベルの高いものを任せるようにしていきましょう。

その時重要なのが、必ずやってくれたら感謝の言葉をかけ、褒めるようにしてください。

男性の方には、是非とも家事育児を積極的に担当して欲しいと思います。上でも書きましたが、いきなり完璧にする必要などありません。ほんのちょっとした手伝いだけでも、非常に助かります。
逆に言えば、できないことを無理にすると、「余計な手間」が発生します。「これならできそうかな」という家庭での仕事をぜひ見つけてください。
女性はこうした目線で男性に仕事を振ってあげるといいかもしれませんね。

お互い「1人」になれる時間を持つ

なかなか外出できないため、どうしても家に引きこもりがちになります。

広大な庭とお城のような家に住んでいれば、お互いの距離など気にせずに済みますが・・・そんなうまくはいかないですね。

前述したように、「同じ空間にずっと一緒にいる状態」では、ストレスやイライラを感じやすくなります。

そのため、なるべく1人になる時間をつくるようにしてください。

なかなか外にでかけることは難しい状況ですが、

  • 1人で食品・日用品の買い物に行く
  • 朝晩など人のいない時間に散歩をする
  • お互い会話しない時間を設ける
  • ゆっくりとお風呂に浸かる

など、工夫しながらやってみてください。

1人になると、気持ちが整理でき、気分転換にもなります。

特に、散歩は運動にもなり、日光を浴びることで気分がスッキリします。

相手を思いやる気持ちを忘れない

これは言うまでもなく当たり前のことですが、結局これが一番大切だと思うのです。

新型コロナウイルスの影響で、「価値観が合わないことがわかった」「相手の嫌な部分が見えてきた」「意外と頼りないことがわかった」などなど、ネガティブな相談が増えています。

でも、考えてもみてください。いくら夫婦とはいえ、お互い他人です。他人だから違って当たり前。

だからこそ、相手のことを思いやり、お互いで考えをすり合わせたり、譲り合ったりすることが大切なのです。

相手を思いやるというのは、夫婦に限らずコミュニケーションの基本ですよね。

緊急事態こそ、力を合わせていくことで絆が強くなり、夫婦として成長していくことができるでしょう。

夫婦間の「ゆるいルール」がコロナ離婚を防ぐ鍵!?

お互いがお互いを思いやっていける夫婦は、何の問題もないと思います。

でも実際には、相手が何もしてくれず「ちゃんと家事・育児を分担してよ」「子供が起きるから電話しないでよ」とついつい怒ってしまい喧嘩が絶えない、という家庭も多いようです。

そこで私が提案したいのが「ゆるいルール」を作るということです。

たとえば、

  • ◯時〜◯時は家事の時間
  • 〇〇と〇〇は今日の◯時までに終わらせる
  • 仕事はこの部屋でする
  • リビングにパソコンを置きっ放しにしない
  • 夜9時以降は仕事の電話はしない(急用なら外で電話)

といった具合に、ある程度具体的なルールを決めるといいでしょう。あまりガチガチに決めてしまうと、それはそれで窮屈になり、逆にうまくいきません。

あくまで今わかる範囲で決めておき、やっていく中で改善していくといいでしょう。

「ゆるいルール」を作ることで、注意する回数が減り、お互いのストレスは驚くほど軽減されます。

これは新型コロナウイルスが収束した後でも、夫婦円満に過ごすためには有効です。

家にいることが多いからこそ、「これからの夫婦の形」を考えるチャンスでもあると思います。

「コロナ離婚」を決断する前に、まずは夫婦の関係を見直し、できることから始めてみませんか。